桜の花が咲きはじめるころ…
最近は地球温暖化のせいでどんどん開花時期が早まっているが、
桜前線が北上していくようすは春の風物詩。
日本人にこよなく愛されている桜…
なかでも有名なソメイヨシノは、実はクローン。
だから一斉に咲き、一斉に散る!
サクラ属は自家不和合性を持っているため、
同一個体同士では結実しない、自家不和合性という性質を持っている。
つまり自個体の花粉が柱頭に付着しても種子を生産しない。
ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交雑種で、
その交雑種のなかでもとりわけ美しい花を咲かせる個体を、
江戸時代末期に染井村(現東京・駒込)の植木屋が
接木などの手法で増やしたもの。
取木や接木で増やした場合、
それらの個体はすべて遺伝的には全て同一、
つまり、クローンというわけ。
それから200年以上、クローンでの繁殖を繰り返し、
今では日本全国に100万本以上、ソメイヨシノが植えられている。