「麦秋」とは麦の実りの季節のこと。
ふつう、穀物が実り、収穫を迎える季節といえば秋ですよね。
しかし、一般的に麦の種を蒔くのは晩秋から初冬にかけて。
寒い冬に芽を出した麦は春の暖かさに包まれてすくすくと育ち、
青々とした草原を清々しい風がわたり…
やがて麦の穂がたわわに実る5月下旬から6月初旬の時期が「麦秋」です。
江戸時代の、季語を解説した書物『滑稽雑談(こっけいぞうだん)』の中に、
「秋とは穀物が成熟する時期であり、麦においては実りの季節である初夏が秋といえる」といった内容の解説がされているそうです。
米と同様に古くから日本人の食生活の基盤にあった麦。
「秋」と書きながら意味は「夏」なのでちょっと混乱してしまいますが、俳句でも「麦秋」は夏の季語となっています。
制服のあるところでは、衣替えの時季ですね。
一夜にして、半袖から出た腕が恥ずかしかったなぁ。